
時計技師や時計職人が発明
小さな箱から流れ出るメロディにハッとし、シリンダーが一回転するわずか数秒の間になつかしい情景が浮かんでは消え、繰り返されるメロディにドラマが繰り広げられていく。心はときを刻むのを忘れ、そしてときに涙することも……橋本勇夫さんのオルゴールにはそんな発見があります。
「オルゴール」というロマンチックな名まえの由来は、オランダ語やドイツ語でオルガンを意味する「orgel」(オランダ語のオルヘル、ドイツ語のオルゲル)だそうです。オルゴールには、円筒型をした金属(ドラム)にピンを取りつけた「シリンダー・オルゴール」と、円盤状のものに穴をあけた「ディスク・オルゴール」とがあります・・・
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鉋(かんな)だけで300種超!
おひつや酒樽、ちろりとぐいのみ、菓子鉢、湯豆腐桶、花手桶、湯桶に手杓、腰掛け台……。その端正な姿形に思わず「きれい!」と声が出てしまう白木の工芸品があります。作っているのは中川周士さん。釘などの接合道具を使わず木と木を組み合わせて作る桶物(おけもの)や指物(さしもの)、あるいは木をえぐってくぼみを作る刳物(くりもの)、そして回転する軸に木を取りつけて刃物で削る轆轤(ろくろ)。日本に古くから伝わるこれらの技法で木の器を作る職人さんです。
材料は木曽椹(きそさわら)や木曽檜(きそひのき)、高野槙(こうやまき)、吉野杉(よしのすぎ)などの和木(日本の木)。道具はおもに・・・
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ブラシとハケは違います。
ブラシは漢字で書くと「刷子」。板に穴をあけて、その穴に獣毛を植え込んだものをいいます。毛は糸や針金などで二つ折りにして穴に植え込みます。こうすると毛の根もとの部分が上になり、ある程度のかたさがでます。だから、ブラシはほこりを払ったり、汚れを洗い落としたりするための道具として使われることが多いのです。
これに対してハケ(刷毛と書きます)は、毛先を平らに揃えて2枚の板ではさんで糸などで結わえて固定したもの。毛先がやわらかいので、おもに塗ったり、はいたりするときに使います。ちなみに、桶やまな板をゴシゴシこすり洗いするようなときに使うタワシ(束子)は、かたい植物の繊維などを一・・・
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徳利も、お酒も「すず」と呼んだ時代が
金、銀、銅、鉄、鉛、水銀とともに「古代七金属」に数えられる錫(すず)の歴史は古く、現存する世界最古の錫製品は古代エジプトの遺跡から出土した『巡礼者の壺』といわれています。日本に錫製品の製法技術が伝わったのは1200〜1300年前。お茶やお酒の器として用いられることが多く、古くは御神酒徳利じたいを「すず」と呼ぶことがあったといわれ、宮中では今もお酒を「おすず」ということがあるそうです。
錆びない、朽ちない金属なので縁起がよいとされ、繁栄を願う贈答品としても人気の高かった錫製品。錫の採掘が始まったのは飛鳥時代ともいわれ、長く日本各地で採掘されていましたが、昭和・・・
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光に魅了されたびいどろ屋から
江戸時代、西洋の華麗なカット硝子に魅了された職人がいました。その名を加賀屋久兵衛といい、江戸大伝馬町で金剛砂を用いてガラスを彫刻しはじめました。江戸切子のはじまりです。薩摩藩主・島津斉彬に保護されて発展した薩摩切子とは対照的。江戸切子は庶民の手で守られてきた伝統工芸です。むろん、いまは金剛砂で加工などしていません。明治時代にヨーロッパのカット技法が伝えられて、グラインダーでカッティングしています。
黒川昭男さんは、その江戸切子を代表する作家。中学卒業と同時に集団就職で、名人といわれた小林菊一郎に弟子入り。菊一郎亡きあとは、子息・英夫を師と仰ぎました。
「なにもわか・・・
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